便利なガジェットやテクノロジーが集中力を奪う元凶だと思ってはいませんでした――実際には「使い方」が問題だったことに気づいたのは最近のことです。ここで紹介する7つの小さな習慣は、私のルーティンを作り替え、想像以上に注意力を研ぎ澄ませてくれたものだけを集めました。
AIの登場によって、生産性がさらに上げやすくなっている昨今ですが、AIの応答が早すぎることで人間の思考時間が奪われるほどにマルチタスクであっちこっちに注意を張り巡らされている状況から、なんとかしないとマズいと思って取り組み始めたものです。
AI疲れ、デジタル断捨離を目指す人たちもぜひ参考になればいいなと思います。
7. 不要な通知をオフにする

ピンッ、ブンッ――そのたびに注意力は削られます。私のスマホには数十個のアプリが入っており、ほぼすべてが通知を送れる設定でした。数分おきに画面が点灯し、ほんの一瞬でも集中が途切れる。その小さな中断が積み重なり、フロー状態に入りづらくなっていました。
そこで通知設定を総点検。「リアルタイム通知が本当に必要か?」をアプリごとに自問し、不要ならオフに。
今は、テキスト・通話・カレンダー・金融や仕事用など、ごく一部の必須アプリだけが通知を出します。常時鳴り響くことがなくなり、深い集中を保てるようになりました。
6. 「集中モード/おやすみモード」を徹底活用

スマートフォンの隠れた神機能が、通知と着信の許可リストを時間帯別に制御できること。iPhone の「集中モード」や Android の「おやすみモード」を使わない手はありません。通知を絞っても、なお割り込みが起きる、そんなときに役立ちます。
私は「パーソナル」「趣味」「リラックス」など、時間帯に合わせた集中モードを設定しています。許可した連絡先やアプリ以外はすべてミュートにして、特定のホーム画面だけを表示。さらにスケジュールで自動オン・オフ。モードが切り替わる瞬間が、脳に「今は集中時間だ」と合図を送ってくれるため、深い作業に素早く入れるようになりました。
5. 「ながら」ではなく「支える」BGMを流す

かつては「静寂こそ生産性」と思い込んでいましたが、正しいBGMは集中力を底上げします。
ジャンルを色々試した結果、私の場合は執筆やコーディングなど深い思考が必要な作業では歌詞のないインストゥルメンタル、アンビエント、Lo‑Fi ビーツが最適でした。単調で落ち着いたリズムが周囲の雑音をかき消し、フローに入りやすいです。ルーチンワークのときはややアップテンポに。
プレイリストを再生すること自体が“仕事の儀式”になり、脳が「さあ始めよう」と切り替わります。もちろん無音でこそ集中できる人もいます。自分に合うスタイルを探してみてください。
4. デジタルの境界線を明確に引く

テクノロジーは、放っておくと一日中生活に侵食してきます。
仕事の連絡が夕食中に飛び込み、SNSが静かなひとときを奪い、メールやチャットが朝食前に注意を奪う――これらが見えないノイズを増やしていたことに気づくのに時間がかかりました。
私がまず決めたのはスマホ触らない時間とブラウザのプロファイル切り替え。
早朝5時に起きても、メールやチャットは14時~19時しかチェックしない。
集中セッション中はスマホを手の届かない所へ置く。
さらに、仕事用とプライベート用でブラウザプロファイルを分離。仕事の作業中に私用タブを開く誘惑を防ぎます。
こうした小さな線引きにより、「オン」と「オフ」がくっきり分かれ、メリハリを持ってタスクを片づけられるようになりました。
3. 気を散らすアプリをアンインストール

最も大胆で効果的だったのが、時間泥棒アプリの削除でした。意志力に頼るのではなく、誘惑そのものを排除する――これがポイント。私は Instagram や X(Twitter)を、手持ちぶさたの一瞬や、作業で行き詰まった瞬間に無意識で開いていました。端末にインストールされているだけで誘惑になるのです。
思い切って削除したところ、効果は即座に表れました。試しに1週間消してみてください。驚くほど集中できますよ。
アンインストールするのに抵抗がある場合は、一回SNSをチェックしたら、ログアウトしてしまうこと。また次にアプリを開きたいと思ったときに、手間がかかるようにしておくことで、きっかけを抑制できます。
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2. モノタスクを受け入れる

現代は「マルチタスクで効率アップ」が常識のように語られます。
長年、メールを返しながらポッドキャストを聴き、YouTube を流しながら作業――といった具合に、5つのことを同時進行していました。実際は注意力が分断され、かえって能率・効率が落ちていました。
そこで1つのことを、1つずつ、丁寧に。
メールを書くならメールだけ、文章を読むなら読むだけ――終えたら次へ。
最初は遅く感じても、質が上がり、ミスが減り、結果的に早く終わる。終業後の疲労感も激減しました。モノタスクは勢いを生み、深い集中を呼び込み、フロー状態へ導いてくれます。
モノタスクは、一度に一つの作業だけに注意とエネルギーを注ぐことをいいます。人間の脳は、複数のことを同時並行で処理ができないシングルスレッドなので、瞬間的にタスクを切り替えるだけで、時間と集中力が失われるスイッチングコストがあると言われています。
いっぽうで、モノタスクはそのスイッチングコストをなくして、短時間で質の高い成果を得るための効果的な方法と言われるものです。後述するポモドーロテクニックと相性抜群です。
1. ポモドーロ・テクニックを活用する

この中でもっとも効果があったと言えるのが、生産性メソッドのポモドーロです。
導入前は、やる気満々で席に着いても、数時間後には大して進んでいない――そんな日々でした。怠けていたわけではなく、時間と集中の管理ができていなかったのです。
ポモドーロは基本的に 25分作業+5分休憩を1セット とし、4回ごとに長めの休憩を取ります。私は上級者向けに、60~90分作業+15分休憩 にアレンジすることもあります。
タイマーがあることでなぜか集中しないといけないという気持ちが出てくるし、締切意識が生まれ、深く没頭している時間が増えてきています。
構造がシンプルな分、習慣化しやすく、モチベーション維持にも最適です。
けっこう気に入ってポモドーロタイマーを使っているので、Yattaskでもオリジナルアプリを開発しています。リリースしたらまたアナウンスします。
これらのツールや習慣がすべてあなたに合うとは限りません。実際に試し、自分にフィットするものだけを取り入れてみてください。